高機能舗装の損傷による水浸入の影響

 表層と基層間の防水が壊れることによる浸入した水の動きとその影響について推測する。
 基層に入った水は通過するタイヤの動きに押されて、わだち部付近を車の進行方向に広がる。水の浸入により基層の支持力が低下し、路面のわだち部にひびわれが発生し、放置するとポットホールに進展する。垂直方向に弱点があると、基層内部まで水が浸入し、弱点部分の支持力が低下し、路面にひびわれ、ポットホールが発生する。さらに、進展すると、路盤以下まで水が浸入し、深いところでの支持力の低下が発生する。
 切り盛り境のひびわれ発生場所のように、地山と盛土の間にすべりが生じているような場所では、すべり面に沿って水が浸入し易い。そのため、時間とともに、深くまで水が入り込み影響が深くまで及ぶ恐れがある。
 また、橋梁・カルバート前後の盛土(埋め戻し)部分や構造物の埋設箇所では、盛土の沈下によるくぼみやひびわれが発生することが多い。埋め戻し部の端部で横断クラックが発生している時は、盛土の境にすべりが生じている可能性があり、この境を通って深くまで水が入り込み、影響が深くまで及ぶ恐れがある。また、くぼみの箇所では、基層・アスファルト安定処理に細かいひびわれが生じ、このひびわれを通って広い範囲で水が浸入し、盛土の含水比が大きくなる恐れがある。水の浸入により地山と盛土の間の摩擦が小さくなり、地震時に地山と盛土の動きにずれが生じ、盛土部の崩壊につながる可能性が大きくなる。また、含水比の多くなった盛土部分は、地震の振動により崩壊につながる可能性が大きくなる。
 密粒度舗装から切削オーバーレイで高機能舗装に変わったところでは、密粒度舗装の時に生じた感温クラックが原因と考えられるひびわれが多数発生している。感温クラックによる基層以下の変状は軽微なものであるため対策がなされず、高機能舗装化がなされたものと思われる。しかし、これにより表層と基層間の防水が壊れ、基層以下への水の浸入し、路面に線状クラックが発生している。これらのクラックは、線的発生であり面積的には大きくないため、損傷率が小さいと判断されて補修がなされない。しかし、基層以下に原因があるため表層・基層間の防水が破れたとき、深くまで水が浸入し、大きな損傷を引き起こす恐れがある。また、高機能舗装の切削オーバ-レイによる補修後も同様に、基層以下の変状が補修されていないと、表層・基層間の防水が破れたとき、深くまで水が浸入し、大きな損傷を引き起こす恐れがある。切削オーバ-レイの後に表層・基層間の防水が破れたときは、まだ、表層に目詰まりがなく透水性の良いため、水の浸入が多く、損傷の進展が速い。
 表層と基層間の防水が壊れた時点で損傷を見つけることが重要である。そのためには、降雨時の路面の湿潤状態や乾燥状態の変化から、早期にひびわれの存在を見つけられるように注意が必要である。赤外線による路面の温度変化による調査も有効であるようだが、損傷によらず空隙状態の不均一等に起因すると思われる場合もあり確実性に欠けるようである。

駐車マスのくぼみ、ひびわれ
 SAPAの駐車マスのタイヤが止まる位置にくぼみ、ひびわれが発生する。
 前回書いたように、高機能舗装は基層への荷重が広がらずにタイヤの下の狭い範囲に伝わること、また、駐車という長い時間荷重が掛かり続けるためアスファルトの固形分が変形し表層での支持力が弱くなることから、基層が変形し、表層にくぼみ、ひびわれが発生するものと考えられる。

 橋梁ジョイント付近の半たわみ性舗装で高機能舗装内を流れてきた水が湧き出る。この水を排水するように路肩に集水ますを設置するように要領が変わった(湧き出た水がジョイントから桁に流れ込み、腐食を発生させるのを防ぐのが目的と思う)。しかし、この位置は、橋台とウィングに囲まれて狭く、場所によっては、地山の勾配がきつく、施工が難しい所で沈下等問題の多いところである。沈下により漏水を起こし反って水の浸入の原因となるのではないかと心配である(漏水をしていても見えない)。

基層より下にまで水が浸入すると補修費用が大きくなる。



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