高機能(排水性)舗装の凸凹

10年余り前から高機能(排水性)舗装がなされる様になりました。この舗装は、水しぶきによる視界不良による事故や表面に溜まった水によるハイドロプレーン現象による事故対策に効果があり急速に広まりました。特に、効果の大きい高速道路では、高機能舗装が標準となりました。ところが、この高機能舗装で最近多くの窪みの発生が目立つようになりました。さらに、補修後比較的短時間で再発生しているようにみえます。
なぜ、損傷が頻繁に起こるようになったか考えてみました。
くぼみ発生の進展を速くする原因は、水しぶきや水溜りを防ぐために水を舗装(表層)内に入れることにあるように考えられます。
舗装が健全な時は、舗装内に入った水は低いほうへ流れ舗装の端から集水ますや側溝等排水施設に流れ出るか、表面から蒸発します。しかし、下層にひび割れがあった場合は、事情が変わってきます。ひび割れを通って水が路盤のほうへ入っていきます。通常舗装に比べると、排水性舗装のひび割れからの水の入り易さは大変大きな違いがあるものと推測されます。まず、舗装版にタイヤが乗って撓んだ時に表面では垂直加重によりひび割れ箇所で開こうとすると横方向に変形しひび割れはふさがれてしまいます。一方、排水性舗装の場合の基層上面では、垂直荷重による横方向の変形より、撓みによるひびわれの広がりの方が大きくひび割れを塞ぎきれません。次にタイヤがひび割れの上を通るとき、表面の場合は水が横に逃げますが、表層内では水は自由に逃げることができず水圧が高くなります。圧力の上がった水にとってひび割れは格好の逃げ口になり、路盤の中に入っていきます。タイヤがひび割れを通過後変形した表層が元の形に戻る時表層内の水圧は下がり、表面及び周囲から水が入ってきます。ひび割れを通って路盤から戻ってくる水は、路盤内の水が相当多くなければ、ほとんど無いでしょう。このように排水性舗装には、ひび割れがあった場合、表層が舗装表面の水を路盤に送り込むポンプ作用があります。
さらに、高機能(排水性)舗装では、排水性機能を上回るほどの降雨でなければ、路肩から流出したり水しぶきとして飛ばされることはなく降った雨は大部分が表層内に残ります。表層内の水は、表面から蒸発する分を除いては勾配の低いほうへ流れて路肩や排水ますから流れ出ます。流れる途中にひび割れがあるとひび割れを通って路盤内へ水が入ります。この流れ込む水の量はひび割れの位置によっては多量になる可能性があります。例えば、長い坂道のサグ付近では、雨が止んだ後でも坂の上の方から表層内を流れ下ってきた水で何日も濡れていることがあります。
水の影響は、粒状路盤のみならず基層、As安定処理路盤層にも現れ、損傷の原因となります。ひび割れが粒状路盤まで及んでいなくても、小さなひび割れや基層と表層間のタックコートに欠損があったりして、基層やAs安定処理路盤層の湿潤状態が続くと、表層より耐水性の弱い基層、As安定処理路盤層は、急速に強度が低下します。
以上のように高機能(排水性)舗装では従来の舗装とは比較にならない量の水が路盤内へ入り、路盤以下の地盤の支持力を失わせ、舗装の損傷を進ませます。補修も路盤以下までの入換となると費用も大きなものとなります。これを無視して、表層基層だけの補修だけで済ませると4年くらいで(交通量等により大きな違いがあるが)再補修ということになります。
高機能(排水性)舗装により水しぶき防止により走行の安全性は、高くなりました。そして、この点が高速道路舗装改良工事の目玉となり、舗装の高機能(排水性)舗装化が進められています。そのため、水しぶきがあがらない安全性と快適性のみ強調されより広い面積を高機能(排水性)舗装に舗装することに重点が移り、補修を完璧に行うことに目が行かなくなっているように思われます。

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この記事へのコメント

ナツ
2009年10月31日 17:14
一人で家出したんだけど助けてほしいです。もう親には頼れない…super-love.smile@docomo.ne.jp

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